M6 ハッピーブラボーナオヤジタチ



今回は単なる日記なんで悪しからず。

8月21日に稽古終了後、いつもの飲み屋で飲んでたら
知り合いのAさん53才から電話が入る。
「明日ヒマ?」と聞かれたので『仕事ですけど』と答えたら
「休めないか?」ってんで『何とかしましょうか?』って言ったら
「じゃあ、明日10時半に東京駅の八重洲中央口にアコギ持って来て」
と言って、一方的に電話を切られてしまった。
『?』と思ったが
翌日、仕事先に休む旨を伝えて行く事にした。

外がメチャクチャ暑かったんで、ハードケースを持つ気になれず
キムの所から格安で引き取ってきたギターを持って行く事にする
これが後になって後悔の原因になるとは、トホホ...........................


10時20分頃に待ち合わせ場所に行くと
すでにAさんが居て「こっちこっち」といって
物凄い勢いで歩いていく。
しょうがないんで後を着いて行くと
新幹線の改札の所で切符を渡され、更に進んで行く。
『何処に行くんですか?』と聞いても
「こっちこっち」と言ってどんどん進んで行く。

で、気がつけば新幹線の中..........................
『何処行くんですか?』とまた聞いてみたが
「ちょっと待ってて」とか言って何処かへ行ってしまい
戻って来た時には大量のビールを抱えていた。

何を聞いても答えてくれそうもないんで
勧められるままにビールを飲んでいる間に
新幹線が発車したんだけど、大宮を過ぎたあたりで思い出した。

Aさんて4月から単身赴任で仙台に行ってんじゃん!
いや〜な予感が頭をよぎった...................つうか2時間後には現実になってた。


駅を出ると、にこにこ笑顔の小太りのオヤジが迎えに来ていて
言われるがままに車に乗せられる、なんか拉致されてる気分。

で、連れて行かれた先は地元の有名なライヴハウス。
中に入ると20名位の冴えないオヤジの群れが........................

その中に居た白髪混じりの長髪の50代半ばのオヤジ(Bさん)が
「今日は遠い所すいませんねぇ」つうんで
『一体、何なんでしょうか?』って聞いたら。
元々、5組でライヴをやる予定だったのが
1組出られなくなったんで、どうしようかって言ってたら
Aさんが「東京に面白いのが居る」てんで俺を呼ぶ事になったらしい。

4組でやればいいじゃん
わざわざ金使って俺を呼ばなくたってさ。
オヤジのする事は分からん。


出演は3番目と言われ『どうするか?』と思いつつその場に居たら
リハが始まったんだけど、さっきまでの冴えないオヤジ達は何処へやら
半端じゃなく巧い!
頭を思いっきり殴られた様な感覚だ。

ここで後悔する、いつも使ってるギターにしときゃ良かった。
だって、みなさん凄いの使ってんだもん。

更に、俺のギターにはピックアップが付いていない
マイクを立てようかと思ったけど、それじゃフォークシンガーみたいでいやだなぁと思っていたら
Aさんが「どうしたの?」って声を掛けて来たので、事情を説明したら
「誰かピエゾ持ってない?」て周りに声を掛けた。
持ってるわけないだろ、と思ってたら「あるよ」............へ?

まあ、借りてギターにくっつけて
さあ、俺のリハだぁ〜!って事でステージ上で準備してたら
少年がずっとくっついてんで『何してんの?』って聞いたら
「セッティングを覚えてるんです」ときた
なんでも、本番のセッティングをやってくれるらしい
こりゃ楽でいいや、などと思いつつ客席を見たら
さっきまで誰も居なかったのに、出演者が全員いるじゃないかい!

しかもその目は「東京から来た小僧が何をやるか、見せてもらおうじゃないか」
そんな目で全員が俺を見ている。

どの曲をやるか一瞬考えたけど、オリジナルをかます事にした。

歌い終えたらいきなり拍手されて「格好いいじゃん」と言われる。


リハは無事に終えたんだけど、何も準備してなかったから
Aさんに『服買いたいんですけど』っつたら、横で聞いていたBさんが
「今から娘が来るから案内させるよ」って言うんで甘える事にする。

10分位して娘さんが来たんだけど、凄い美人!
その娘さんの車で街に出たんだけど「田舎だからたいした物ないですよぉ」
なんて言ってたんだけど『そんな事ねぇだろ』と思ってたら甘かった。
俺は半袖が欲しかったんだけど、東北はもう秋物しかなかった。
しょうがないから、困った時の“デニムシャツ”を買い
頭も何もしてなかったんで、ワックスとスプレーとヒゲ剃り等を買い
会場に戻ったら、オヤジ達はすでにハイテンション。

「飲め!」と言われて少し飲んだけど
ろくな事になりそうもなかったんで『準備します』と言って楽屋に引っ込む。


19時ライヴスタート、なかなか盛り上がってる様だ
ちなみに俺以外は全部バンド。

そして20時半を回った頃俺の出番が来たんだけど
前のバンドの人が去り際に

「次ぎは東京からイカしたブルースマンが来てくれたぜ」

なんて言うからさ、まず東京って言葉で会場がいきなり静かになったんだよ。
あきらかに構えてる証拠じゃん、地元意識が強いからね。

『俺はブルースマンじゃなくて、ロッケンローラーだ』

なんて思いで少年からギター受け取って、会場を見たら明らかに喧嘩を売られている感じ。

それなら買ってやろうじゃないか!って事で、ガツンとかましてやったら
ノリノリ状態で40分が終わった、勝ちぃ。


打ち上げも終わって、始発の新幹線で帰る事になったんだけど
出演者が全員駅まで来てくれた。

帰り際にAさんが封筒だして「ギャラね」って言うんで受け取ったんだけど
車内で見て驚いた、だって2万も入ってんだもん。

帰宅後、Aさんに電話して『貰い過ぎ』って言ったら
「無理言ったのこっちだし、新田も評判良かったよ
打ち上げに来てた若い連中も話したかったみたいだけど
新田の事が恐くて話し掛けられなかったんだってさ」
『...............................』

おい、俺は仙台でも恐い人か!


オススメ
BBキング『マウンテン』