さて、お立ち会い。 時は2002年6月14日、午後3時。 我らが日本代表はW杯・予選リーグの最終戦を迎えております。 日本中が手に汗握る一戦。果たしてその結果は…… てなコトを申しましたが、実はこのお芝居、サッカーのお話ではありません。 サッカー選手はおろか、監督やコーチも登場しません。 では、なぜこのお話が『ワールドカップ』なのかと申しますと…… 日本ではあまり馴染みがありませんが、世界各地に『スポーツ・バー』と呼ばれる飲み屋さんがあります。 仕事を終えたオジさん、オバちゃんたちが三々五々に集い、テレビ中継を肴に酒を飲む。……簡単に言ってそれだけの場所なのですが、 これがなかなか面白い。 ゲームが白熱するにつれ、人々も狂乱的に盛り上がっていきます。 名前も知らない赤の他人と肩を組み、躍り狂って喜びを爆発させる。 画面の中のボールの行く末に一喜一憂するその姿は、 なんだかコメディで、なおかつドラマなのです。 さて、お立ち会い。 本日の舞台は『サンライズ・クリニック』という名の病院であります。 登場するのは入院患者と見舞い客と看護婦さん。 サッカーどころじゃない、ハズの人たちなのですが…… 病室の片隅には、テレビがあるのです。 決戦の同時刻、 彼らがたまたま居合わせた207号病室で何が起こるのか…… それは、観てのお楽しみ。 CAST 新田正継 滝沢久美 佐土原正紀 阪口高広 キム木村 菊池奈緒 ・ 守谷裕樹(インターセプト) 堀江ゆき(デリシャスモンキーブラザーズ) STAFF 作・演出 今石千秋 演出助手 高階弾 舞台美術 奥天芳明 /(有)オーズプロジェクト 照明 猿谷香織 /(有)SPC 音響・舞台監督 田島誠治 音響OP 尾林真理 宣伝美術 前田明洋 制作 ZIPANGU Stage制作部 制作協力 渡辺朋子 |
ZIPANGU Stage vol.18
[ストーリー] 舞台はとある病院・入院病室。 折しもW杯・日本代表戦の日、テレビ中継を待ちわびる入院患者たち。 そんな中、ある患者の婚約者が、突然父親を連れて登場。 なぜか結婚を頑に認めない頑固親父を説得しなければならない状況の中で、試合開始時間は刻々と迫ってきて…… ワールドカップ・イヤーにあたり、『日の出荘……』に続くサッカー観戦コメディの第二弾です。今回の舞台は入院病室。 W杯モノなのに加え、一度やってみたかった病院モノにチャレンジしてみました。ただし、ERのような生命の瀬戸際のドラマでなく、ジンセイの休息所のドラマ。脇目もふれず走り続けてきた人々が、ふと立ち止まり、自分を振り返る……なんてコトがごく普通に起こる場所としての病院、を描いたドラマです。 キム木村、初の主演作品。全編・オールベッドシーンという、前代未聞・日本の演劇史上初の役どころを見事に(?)こなしてくれました。 |