ZIPANGU Stage vol.28 "Drama no tsukurikata"

2007’5/11(fri)〜20(sun) 
大塚・萬劇場(提携公演)



ZIPANGU Stage vol.28

ドラマのつくりかた
Don't make my family into a drama


これじゃ、ダメなのだ


 センセイは、シナリオライター
 締切をとうに過ぎても、スランプ真っ最中
 どうやらセンセイ、
 ドラマのつくりかたを忘れてしまったらしい。

 そこに私生活の無理難題が押し寄せる
 親子問題、離婚問題、愛人問題に
 カンヅメ先の旅籠は地獄絵巻
 ついには家族崩壊の危機に、
 シナリオ書いてるどころじゃなくなるのだが、
 その時、奇跡が起こった!?

 ドラマの作り手が、ドラマを創らんとあがいた挙句、
 知らず知らず自らの人生をドラマに
 せつなく、ちょいと小粋な
 ドラマづくりの物語



CAST

新田正継
滝沢久美
佐土原正紀
キム木村
西薗優
村上健司
はなたろう
  ・
稲葉仁
大沼竣(Marmoset
ヤビマーヤ(危婦人)
村岡あす香(KUSARE芸道)
中村公平(劇団レトロノート)
伊藤さやか(ZaNUKA)


STAFF

作・演出
今石千秋

演出補

井上史浩

舞台監督
稲毛健一郎

舞台美術
奥天芳明
 /(有)オーズプロジェクト

照明
猿谷香織
 /(有)SPC

音響
田島誠治
齋藤瑠美子
 /SoundGimmick

宣伝美術/小道具協力
松下由紀

当日運営
三村里奈/MR.co

制作
ZIPANGU Stage制作部








[ストーリー]

時は1977年。
今から30年前の伊豆あたりの温泉宿の一室で、なにやら風采のあがらぬ男三人が苦悩していた。チーフの長谷(キム木村)、アイディアマンの古田(稲葉仁)、皮肉屋の司(中村公平)。実はこの人たち、シナリオライターの大先生・青塚二三夫(新田正継)のお弟子さんたち。締切をとうに過ぎても一向に上がらぬ原稿に、完全に煮詰まっている三人なのだが……


そこに、テレビ局の社員・筧(村上健司)が、新入社員のナツ(村岡あす香)を連れて、原稿をとりに現れた。青塚の大ファンで直接本人に会うのを楽しみにしていたナツだが、シナリオを長谷らに任せっきりで、愛人(伊藤さやか)と遊んでばかりの青塚に仰天。そんな折、突然、青塚が心臓発作で倒れてしまう。


一大事に、救急車だ医者だと慌てふためく面々なのだが、次の瞬間、何事もなかったかのように青塚は起き上がる。しかしその時から、センセイの様子が明らかにおかしくなる。言葉使いから態度まで、まるで別人のように。問い詰める長谷らに、青塚がぽつりと言う。
「実は……ワタシは、おまえだ」


青塚が言うことには、30年後の未来から、長谷の魂が過去にタイムスリップして青塚の体に乗り移ったのだ、と。当然そんなハナシは信じられない面々なのだが、なぜだか青塚の預言が次々に的中しはじめる。仰天する面々に青塚は、更に長谷が今の奥さんと別れてナツと結婚している未来を明らかにしたから……さあ大変。



予言を裏付けるかのように、なぜか長谷の妻や息子らが、次々に旅館に集まり始める。依然、一向に進まないシナリオと戦いながらも、果たして長谷は家族崩壊を食い止められるのか……



  設定にタイムトラベルものの要素を取り入れた、うちとしては超異色のシチュエーション・コメディ作品です。まるでバック・トゥー・ザ・フューチャーのようなジェットコースターな展開の中で、きちんと『笑い』を創り、かつ、『ドラマを創るドラマ』を創り出すという、挑戦でした。

劇団初の、2週間のロングラン公演。当初は役者の体力面などもとても心配だったのですが、なんとか無事乗り切ることができました。劇団として、新しいステップに踏み出すことになった、記念の作品とも言えると思います。キム木村が久し振りの主演。まるでコメディらしからぬ、しっとりとしたラストシーンが、なぜだかお客様に大好評をいただいたのでした。



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