ZIPANGU Stage vol.35 "Detective Ghost"

萬劇場提携公演 
2012’6/7(木)〜10(日) 


ZIPANGU Stage vol.37

Casa Noir
カサ・ノワール

〜黒い家にまつわる綺譚



 黒い家の物語、なのである
 アル中の主人と、行方不明の妻
 引きこもりの娘に、わけありげな執事
 その住人全てが、どこか奇妙で
 謎めいているのだ

 そこへ招かれた占い師のセンセイ
 インチキな幽霊騒ぎを起こして
 大金をせしめるつもりが
 いつの間にやら本物の怪事件にまきこまれ……
 果たして、黒い家族の罠から逃れられるのか

 抱腹絶倒
 ちょっと奇妙で底抜けに明るい
 黒い家の住人たちにまつわるコメディ
 なのである



CAST

滝沢久美
佐土原正紀
村上健司
宮本ゆるみ
世古新
石牧孟

よっし
西垣俊作
大矢佐奈恵
小林千恵
山田勇亮
平良和義(海賊ハイジャック)
高橋茉里
喜多川季子(フェイスプランニング)


STAFF

作・演出
今石千秋

演出補

井上史浩

照明
猿谷香織
 /(有)SPC

音響
田島誠治
 / SoundGimmick

舞台美術
鎌田朋子

舞台監督
稲毛健一郎

宣伝美術
久原大河
松下由紀

当日運営
三村里奈
 /MR.co

制作
ZIPANGU Stage制作部










[ストーリー]

 都内の一等地に佇む洋館、黒山邸。
 世間からは幽霊屋敷と噂されるその館に、家族と使用人たちがひっそりと暮らしていた。



 その黒山家では、縁談が進められていた。長男に見初められ、玉の輿に浮かれ気味の、あかりと、その父、勘吉、そしてなぜだか寛吉の弟子の渉が訪れる。実は渉はあかりに横恋慕していて、縁談をぶち壊そうと密かにもくろんでいたのだが、執事や家政婦までいる黒山家の豪邸ぶりに、ただ驚くばかり。


 そこに現れたのは、カトリーヌと名乗る霊媒師率いる一行。なんともいかがわしい面々に戸惑う渉なのだが……



 彼らの見立てによれば、現在行方不明になっている黒山家の奥さんは、実は殺されていて、その幽霊が出ると言うのだ。半信半疑の渉だが、それを裏付けるような事実が次々に明らかになる。なんとかあかりを助けようと、思い余った渉は、霊媒師に弟子入りすることに。


 そして迎えた降霊会の夜。渉らの目の前でホンモノの怪事件が!
 屋敷に閉じ込められた一行。ついには殺人事件までもが発生して……果たして彼らは黒い家から逃れられるのか。そして、黒山家の決して口外できない黒い秘密とは……



 怪奇映画の面白さをコメディで、といった企画です。劇中、ポルターガイスト現象よろしく、絵画が動いたり、飾り物のサーベルが動き出したりといった、派手な仕掛けがあります。生もののお芝居でそれを見せるのって(仕掛けがバレないようにするのがって意味ですが)実はとても大変だったのですね。客席からの悲鳴(?)は、スタッフワークの勝利でした。

 タイトルの『カサ・ノワール』は、外国語として正しい用語ではなく、『カサ・ブランカ』(ポルトガル語で白い家の意味)と、『ノワール』(フランス語で、黒、暗黒の意味)を掛け合わせた造語です。お話し自体は実はストレートな人間ドラマ。招かれざる闖入者であるところの渉の視点で描かれるのは、大昔に犯してしまった過ちのために、ずっと心に闇を抱えこんだままになってしまった家族の物語。ちょっと背筋がぞっとするような黒い世界を、人間ドラマと、心から笑って楽しめるコメディに味付けしました。

 宮本ゆるみ、劇団苦節10年にして初の主役。いかがわしい霊媒師のカトリーヌを、持ち前の怪演ぶりを発揮しながら、実は物語をも支えるという難しい役所でした。また新加入の劇団員、世古新と石牧孟の劇団デビュー作にもなりました。世古は、なんと大抜擢の渉役。石牧ともども、今後の活躍にご期待ください。




戻る