ZIPANGU Stage vol.35 "Detective Ghost" |
萬劇場提携公演 ZIPANGU Stage vol.37
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CAST 滝沢久美
佐土原正紀 村上健司 宮本ゆるみ 世古新 石牧孟 ・ よっし 西垣俊作 大矢佐奈恵 小林千恵 山田勇亮 平良和義(海賊ハイジャック) 高橋茉里 喜多川季子(フェイスプランニング) STAFF 作・演出 今石千秋 演出補 井上史浩 照明 猿谷香織 /(有)SPC 音響 田島誠治 / SoundGimmick 舞台美術 鎌田朋子 舞台監督 稲毛健一郎 宣伝美術 久原大河 松下由紀 当日運営 三村里奈 /MR.co 制作 ZIPANGU Stage制作部
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[ストーリー] 都内の一等地に佇む洋館、黒山邸。 世間からは幽霊屋敷と噂されるその館に、家族と使用人たちがひっそりと暮らしていた。 その黒山家では、縁談が進められていた。長男に見初められ、玉の輿に浮かれ気味の、あかりと、その父、勘吉、そしてなぜだか寛吉の弟子の渉が訪れる。実は渉はあかりに横恋慕していて、縁談をぶち壊そうと密かにもくろんでいたのだが、執事や家政婦までいる黒山家の豪邸ぶりに、ただ驚くばかり。 そこに現れたのは、カトリーヌと名乗る霊媒師率いる一行。なんともいかがわしい面々に戸惑う渉なのだが…… 彼らの見立てによれば、現在行方不明になっている黒山家の奥さんは、実は殺されていて、その幽霊が出ると言うのだ。半信半疑の渉だが、それを裏付けるような事実が次々に明らかになる。なんとかあかりを助けようと、思い余った渉は、霊媒師に弟子入りすることに。 そして迎えた降霊会の夜。渉らの目の前でホンモノの怪事件が! 屋敷に閉じ込められた一行。ついには殺人事件までもが発生して……果たして彼らは黒い家から逃れられるのか。そして、黒山家の決して口外できない黒い秘密とは…… 怪奇映画の面白さをコメディで、といった企画です。劇中、ポルターガイスト現象よろしく、絵画が動いたり、飾り物のサーベルが動き出したりといった、派手な仕掛けがあります。生もののお芝居でそれを見せるのって(仕掛けがバレないようにするのがって意味ですが)実はとても大変だったのですね。客席からの悲鳴(?)は、スタッフワークの勝利でした。 タイトルの『カサ・ノワール』は、外国語として正しい用語ではなく、『カサ・ブランカ』(ポルトガル語で白い家の意味)と、『ノワール』(フランス語で、黒、暗黒の意味)を掛け合わせた造語です。お話し自体は実はストレートな人間ドラマ。招かれざる闖入者であるところの渉の視点で描かれるのは、大昔に犯してしまった過ちのために、ずっと心に闇を抱えこんだままになってしまった家族の物語。ちょっと背筋がぞっとするような黒い世界を、人間ドラマと、心から笑って楽しめるコメディに味付けしました。 宮本ゆるみ、劇団苦節10年にして初の主役。いかがわしい霊媒師のカトリーヌを、持ち前の怪演ぶりを発揮しながら、実は物語をも支えるという難しい役所でした。また新加入の劇団員、世古新と石牧孟の劇団デビュー作にもなりました。世古は、なんと大抜擢の渉役。石牧ともども、今後の活躍にご期待ください。 |